最近は「フェミが表現規制をしようとしている」みたいな言説が溢れているので冒頭で言っておきますが、私は規制しろという話は一切していません。女性への不当な扱いは正されるべきだ、という考えを持っていることと表現を規制しろと迫ることは別のことであり、混同しないでいただきたいと思います。

さて、というわけで表題に関してなんですけど……きっかけはうぐいすリボンの荻野幸太郎さんの以下の発言です。


これを見て私は「おかしいのでは?」と考えました。

なんでって、規制がもたらした課題も何も、性表現=エロではないわけで、少年マンガでもセックスを描くことは「理論的には可能であるはず」だからです。
少女マンガでは古くから「エロという意味合いではない性についての描写」が登場してきましたし、少年マンガでそれができないはずはありません。



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この話をTwitterでしていたときに「少女マンガは幅が広いから想定範囲が違うのではないか」と口にしていた方がいらっしゃいましたが、これは女性向けの漫画が主に「どの年齢を想定したものでも恋愛描写が中心となる」ことと関係しているかと思います。
男の子の場合は年齢に従って興味が移って行くので、少女マンガよりもどうしても区分が細かくなるというところじゃないでしょうか?
たとえばコロコロコミックはウンコチンチン主義ですし、少年ジャンプはバトルものやスポーツものが中心で、青年漫画になるとお色気ものや職業ものや時代ものが増える……などのように想定読者層によってガラッと内容が変わるのです。

とはいえ上記のように少女マンガは確かに幅が広いので、りぼん・なかよし辺りを例にとります。
で、この手の話をするときに「女性向ばっかり擁護して!」と言われることが多いので、いや私はどっちも読んでるし読んだうえで話してるよ、ということでこれまでのコミック誌遍歴辺りを書いておきます。(小説も含めるともっとあるけど煩雑になるので省略)

私は幼い頃(幼稚園~小学校中学年まで)はコロコロコミックを愛読していて、その後小学校高学年頃からはりぼん・なかよしを毎月読んでいました。少年ジャンプは本誌を購読しておらず、当時はジャンプ漫画を原作にしたアニメが流行していたのでそういうものを見たりコミックスを購入していたくらいです。
確か中学生くらいからは少年ガンガンをお小遣いで買うようになり、高校生の頃にはBL系コミック誌や花ゆめ系少女マンガをコミックスで購入、その後大人になってから(20代前半くらいから)はヤングジャンプ・ヤングアニマル・ヤングサンデー・グランドジャンプ・モーニング・イブニング・漫画サンデー・コミックバンチなども読んでいたので「少年マンガ~青年漫画」と「少女マンガ」の両方を読んでいたと思っていただいて間違いないと思います。むしろ少女マンガの方が読んでいる数が少ないくらいかもしれない。

さて、話は戻って、少女マンガの性表現の話です。
今でこそティーンズラブというジャンルができて、少女マンガでもセックス描写が含まれるものが出てきましたが、昔は少女マンガにはセックス描写はほとんどありませんでした。
よく少女コミックはエロいみたいな話は聞いていましたが、それでも私が子供の頃にはまだそこまで露骨ではなかったような気がします。(少コミのほうはあまり読んでいないのではっきりしたことは言えませんが)

それでも、りぼんやなかよしみたいな漫画雑誌にも、ふんわりとしたセックス表現はありました。いわゆる朝チュン的なものですけど。
でもそれでも「そういう漫画はあった」し、恋愛の末に性行為に至るという展開そのものが規制されていたということはありませんでした。

ジャンプでだってそれは同じはずで、恋愛描写を描くことそのものに対しては規制はないはずです。それは過去の作品を見ていても明らかです。
じゃあどうして「セックス描写ができないからラッキースケベにするしかないのか」といえば、エロを描きたいからなんですよね。性描写がしたいのではなく、エロ描写がしたいから、そうするとラッキースケベにするしかない。まず、そこの切り分けはちゃんとした方がいいと思います。
これはあくまで推測ですがジャンプ編集部の方針として「具体的な(エロとしての)セックスシーンはさすがにアウト」なのではないでしょうか? それは表現規制の影響というよりは少年マンガ誌だからではないか……と想像します。

でもそうだとしても、具体的なエロとしてのセックスシーンを入れなければ恋愛を描くことも性を描くこともできるはずで、それをしないのは単純に制作側の都合でしかありません。それを規制のせいでできなくなった、とするのはあまりにも横暴ではないでしょうか。

そして本当にそもそもの問題として「少年マンガ雑誌でのエロはどこまで入れていいもので、果たしてその年代の少年たちにとって適切なのか」という視点が抜けてはいないでしょうか。
エロはいわゆる「大人の楽しみ」です。私だってそりゃあ子供の頃にコロコロコミックのちょっと露出の多いキャラを見てドキドキした方ですよ? 女子の裸は嬉しい方です。でもそれでも、子供に見せていいのはここまで、というゾーンもあるはずです。
そしてそれは一律の規制ではなく、世相なども反映させて「今の時代ならこのくらいまで」という部分を探って行くべきところであるはずです。

私の目には、今の大人たちが「少年にはエロが必要だ」と叫んでいるところを見ると、とても不思議に映ります。
少年ジャンプの今の連載漫画を見ればわかるのですが、女の子の肌が全く見えていないわけではないんですよね。セクシーな格好をした女性キャラはジャンプの漫画には普通に登場しています。
どうしてことさらに「女の子が裸に近い姿になっている表現」をジャンプに掲載することを求めるんだろう、と。

しかも今回の問題の発端は「裸にされた女の子たちが嫌がっているような表情を浮かべていること」でした。
それに対して反論としてなのか、めだかボックスのカラーページを示したユーザーもいました。
人気投票時の「裸エプロン」ページです。でも裸エプロンのページは別に恥じらってはいるけど嫌がってはいなかったわけで、その差が本当にわからないの? とも思うわけです。
(あと個人的にはそういう例で挙げるなら「手ブラジーンズ」のときのほうがいかがわしかったと思うので、これはどうなんだ!っていうならそっちを上げたほうが適切だったような気もします。でも手ブラジーンズでも別に嫌がってはいないわけですよ、恥じらってはいるけど)

「恥じらって嫌がっている女の子に性的に興奮する」ことと、「恥じらっている女の子に性的に興奮すること」は似ているようでものすごい隔たりがあります。
後者は特に問題視する必要はないと思いますが、前者はさすがによくないですよね? 嫌がっているんですから。大人だったら「これは妄想、これはただのファンタジー」と理解できるかもしれませんが、子供にまでそういうのを見せるのは止めような、という話でしかないはずです。

女性側がその部分を問題視するのは、まさしく「嫌がっている女の子に何かすること」を楽しいことだと思っている男性側の、さまざまな勘違い行為が原因でもあります。
だから、もしも社会がそういう行為を「よくないものである」としてとらえ、誰かがやったときには周囲の人間が注意するような世の中になれば、ジャンプ漫画にそういうエンターテイメントがあっても問題ないのではないかと言われるのかもしれません。

でも実際にはまだそんな世の中ではないし、こういうことを書くと「フェミが」だの「支離滅裂だ」だの罵倒が飛んでくるんですよ。
だからまずフェアな世の中を目指しませんか。その上で「今の時点ではどのくらいまでならいいのか」を探って行きませんか?
何も一律の規制をしろだとか、連載を中止にしろだとか、そんなことを言っているわけではありません。ただ「そういったことを考えていく必要がある世の中だ」という話であって、それを「女のワガママ」だと断ずる社会はとても恐ろしく、いくらなんでも男性優位が過ぎるのではないかと思います。



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